『フレンズプロビデント』解約したよ!

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2022年初夏、今回おもいきって2011年から積み立てているフレンズプロビデント(FP)を解約することにした。なんで10年以上も継続して…もったいないな…と思うが、それでも解約するのはなぜか、その理由とその経緯について記しておく。HSBC香港はすでに解約済みである。

解約する理由

成績が悪い

2021年11月末にフレンズプロビデントから郵送されてきた報告書を見て愕然とした。

Recieved in the plan started(開始以来の投資額累計)USD 60,500
Gross value(現在の評価額)USD 59,862

つまり、開始以来の投資額累計より現在の評価額のほうが僅かだが下回っているのである。この10年、世界の経済は右肩上がりだったはず。さすがにコロナショックはあったが、この報告書が届いたのは2021年の年末というコロナによる暴落から1年半経過したころであって、世界の相場は回復どころかコロナ以前より上回っている分野もあるくらいである。むしろコロナ大暴落によりドル・コスト平均法が有効に働き、想定以上の利益ができていても不思議ではない時期である。このことを菊池FGに聞いてみたところ、2021年末にIFA(GRANDTAG)から発表があったこと、そしてその内容について教えてくれた。その内容は次のとおりである。

【概略】コロナ発生で経済活動がめちゃくちゃになりその対策の代償として大増税が始まり景気不振になるとのウォール街の懸念をもとに弊社は保守的な姿勢を維持していたわけだが、そうしている間に相場は元に戻ってしまった。

なんと間抜けな理由なのだろう。日本の証券会社では構築できない闇のネットワークを駆使し、敏感に相場の流れを感じ取り、騰落の先手を打ってくれる心強い香港のプロフェッショナル集団だと思っていたが、その認識は見事に崩れた。今後、もしかしたら運用成績が順調に上がっていくことがあるかも知れないが、そのときは相場全体が上がっているときだろうから、楽天証券やSBI証券を利用しているひろしにとってはそちらで商品を自動積立設定をし運用していくほうが手軽で経費率も安いと判断したわけである。したがって、IFAの見直しをし、継続するといったことはしない。現時点でいくらかの利益が出ているならともかく、むしろマイナスなので、今さら見直しをすることにどんなメリットがあるのか疑問である。いっそ解約して新規で日本のネット証券の商品で積み立て開始を行うのも同じじゃないのかなと思う。

今なら円安で損失を最小限にできる

まぁ、結果的に評価額が投資額を下回って、なおかつ途中解約するとなると、そこへペナルティとしていろいろと差し引かれてしまう。大赤字である。そこで現在の円安のパワーを借りて少しでも損失を最小限にとどめようと画策したのである。こんな実力のない商品とおさらばするにはこの円安は良いチャンスだと思う。

手数料等が高い

はっきり言って手数料が高いか安いかは成績次第である。いくら手数料が安くても成績が悪いと意味ないし、逆に手数料がバカ高くても成績優秀でリターン倍増なら何ら問題なし。ところがフレンズプロビデントwithグランタークは諸経費が複雑で高額な割に、予想外に成績も悪いということで見切りをつけた次第である。例えば楽天VTIとざっくりだが比較してみる。

フレンズプロビデントwithグランターク
初期ユニット設定期間18か月
初期ユニットに対しての手数料3か月毎に初期ユニットに対して1.5%
プラン手数料毎月$6.00(積立額$500なら1.2%)
クレジットカード払い手数料1.00%
解約手数料残存期間05年…30%
残存期間10年…48%
残存期間15年…64%
残存期間20年…81%
一部取り崩し相当額
楽天VTI
売買手数料無料
信託報酬0.162%
隠れコスト約0.02%
クレジットカード払い手数料むしろポイントが加算される
NISA対応できる

フレンズプロビデントwithグランタークがぼったくっているわけではなく、ネット証券の競争により日本にも優れた商品がたくさん出てきたんだろうなと思う。

何をするにも手間がかかる

例えば今回の解約には2022年05月に菊池FGに「解約希望」とのメール連絡をして、実際に日本の銀行のひろしの口座に解約返戻金が入金されるまで2か月かかった。その間、PDFで書類をやり取りしたり署名したものを送信したり。これまでも年に数回、報告書やお知らせが郵送されてくるのだが、すべて英語なのでPDFにして菊池FGにメールして翻訳してもらっていた。といった具合で何かと面倒。ただし菊池FGの名誉のために言っておくが、その対応については今まで「素晴らしい」の一言で、迅速丁寧、何の不満もなく感謝しているくらいである。今後もまだTSIの商品で償還するまでお世話になるが、そのことに何の不安もないことは言っておく。

今となってはネット証券で自分でできる

10年前にも楽天証券で株の購入などはやっていたひろしだが、マン島のフレンズプロビデントや香港の金融市場などの商品は、日本には存在しない世界有数の強力な組織なんだろうと思って契約した。しかし特にここ5年くらいで非常に魅力的な商品が日本のネット証券に数多くあふれ出してきた。これらを見ているとHSBC香港の口座やフレンズプロビデントやグランタークなどが非常に面倒と思えてきた。まぁそれでも日本の商品では不可能なハイリターンを褒美として与えてくれるのだろうと何の根拠もないイメージだけの勝手な期待を抱いていた。というのも積み立て開始から10年近く経過した2019年の頃には、日本も米国も順調に経済を伸ばしている時期であったし、何よりも香港のIFAなんかは日本の金融とは別格に優秀な組織だと思っていたので、さぞかし今頃は運用益が2倍くらいになっているかななんて思ったりして自然と笑みがこぼれていた。ところが…まったくの期待外れだったということで激アホらしくなってきた。日本の普通の投資信託となんら変わりないじゃん!ということで今後は日本でのネット証券にて自分で運用するスタイルに切り替えていこうと思う。最低でも米国ETFやそれの応用品に積み立てを自動設定しておけば、フレンズプロビデントと同じようなドル・コスト平均法という条件にできるし、その他の面倒な手続きも必要ない。また経費も安いしペナルティが課せられた縛りもないし、解約するとしても簡単である。

中国に情報を握られているのがイヤだ

現在の香港はすっかり中国である。あと約50年は世界の金融センター香港であってくれると思っていたが、約束破りで傍若無人に世界覇権を狙っているめちゃくちゃな中国の一部となってしまった。そんな中国に自分の情報を握られているのはイヤだ。ということで中国圏から身を引きたいというのも大きな理由の一つである。

妻がわかっていない

まぁハッキリ言って妻のひろこがこういったことに対して興味もなく何もわかっていないので、もしひろしの身に何かあった場合「まったく何をどうしていいのかわからない」とひろこは契約当初から反対こそしないものの不安がっていた。おそらくその際は菊池FGが親身になって動いてくれるものと思われるが、それでもひろこにとっては大変だと思う。そんなややこしい商品には縁を切ったほうが良いと判断した。たとえ損失が出ても、今回の解約はひろこにとって嬉しいようである。

解約返戻金を受け取るまでの流れ

当然のことながらクリック数回で解約できるわけではない。まず解約の旨とその理由を仲介業者である菊池FGにメールする。その日のうちに菊池FGより解約フォームPDFが送られてきたのでそれに署名しPDFにし、運転免許証とマイナンバーカードの画像を添付してメールにて送り返す。おそらく保険証書の原本は菊池FGのほうで保管しており、この手続きと同時にIFAもしくはフレンズプロビデントのほうに返却してくれるもよう。続いて、専用フォームに受取銀行の口座情報を入力する。ひろしの場合は楽天銀行を受取先に指定した。翌日、菊池FGより「確認しました。IFAに提出しました。」とのメールが届く。それから約1か月半後、今度は楽天銀行からメールが届き、このたび海外金融機関からの入金があるので、以下の問いに回答してほしいとの問い合わせがあった。

  • 送金人さまとのご関係
  • 具体的な送金目的
  • 事業内容、商品名
  • ホームページURL(送金人さま、受取人さまにてお持ちの場合)
  • それに関連する契約書などの資料をFAXで送信してほしい

上記の楽天銀行への問い合わせにできるだけスムーズに回答できるよう菊池FGにメールで相談し、適切な用語や必要な資料をPDFで送ってもらったので、それを楽天銀行に提出した。その翌日に楽天銀行からメールにて「確認できました」と返事があったので、楽天銀行にログインし海外からの入金を受け取るようクリックしていったが、マイナンバーカード登録をしていなかったので、その登録をする。それから2日後にようやく楽天銀行HP内より操作し、フレンズプロビデントwithグランタークからの解約返戻金を受け取ることができた。なお受取は[円]と[ドル]のどちらかを選べる。ひろしの場合はドルのままで受け取った。その理由については下記に記載する。結局、解約手続を開始してから約2か月後に受け取ることができたということである。

解約した結果の損益

菊池FGに依頼しフレンズプロビデントより解約確認書を入手してもらった。それで最終的に次のような結果が明らかとなった。

実際に支払った積立額(円)
※ひろしが独自で記録してきた
7,114,127円
実際に積み立てられたドル
(2011.12~2022.05の126か月)
65,000USD
最終評価額49,973USD
 解約ペナルティ 3,484USD
解約返戻金46,488USD
おそらく楽天銀行への送金手数料15USD
解約返戻金(実際に楽天銀行に送金された額)46,473USD
楽天銀行の受取手数料(楽天銀行円預金から引かれる)2,450円
解約返戻金の円換算額(参考レート USD1.00=JPY138)
※ひろしは両替せずドルのままで保有
6,413,274円
(1ドル未満は省略)

こうしてみるとわかってたこととはいえ、解約ペナルティが大きい。償還のころには70歳になっている25年契約をしたこと自体を失敗だったと思っているので、いつか途中解約するのだろうと覚悟はしていた。苦肉の策は60歳になったころから年金替わりに一部取り崩していくという方法。それなら解約せずに利益を断続的に受け取れるのだが、実はその都度高額な手数料が発生する。いずれにしても諸々差し引かれる仕組みである。もちろんそれを大幅に上回る利益が出ているなら何ら問題ないが、現状を見るとそのころに取り崩すことができるような利益が出ているのかも疑問である。10年経過した現在、もし10年契約だったとしたら損失が出ている状態での償還なのである。結果論となるが、結局その程度の商品だったということだ。オフショアや保障制度というマン島での運用の優位性を鑑みたとしても、今回は解約すべきだと思えた。さて、そんな諸事情で解約に踏み切ったわけだが、この目減りした解約返戻金を、もし今すぐに円に両替するなら、この超円安のご時世でも約70万円の大赤字である。ただしこの先、米国大幅利上げにより運よく1ドル=150円くらいまで円安に進めば、その時点で円に両替することにより損失はほぼ解消される。たとえそうならなかったとて、この米ドル資源を利用し楽天証券で S&P500、VIG、TLT などにアセットアロケーションを組んで投資をしていけば、この資源の平均値である1ドル=110円くらいで買うことになるので、その利点は大きいとみる。と思ったが、どうやら楽天銀行と楽天証券間のマネーブリッジに外貨は対応していないようで、米国株を買うなら楽天銀行で受け取ったのは失敗だったようだ。ではなぜ、米国ETFなのかというと、結局アメリカが儲かるように今後もアメリカが世界を動かしていくのではないかと思うからである。中国も限界が見えてきてアメリカには勝てないだろう。ちょうど今、厳密には来年には利上げによる下落で安く買える時期なのでチャンスでもある。積み立て設定なんかしてもいい。最悪、両替する機会を逃してしまっても好金利の外貨定期預金にしておくことで必ず増えていく。いろいろと夢は膨らむ。

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